子育てをしている中で、ママが何気なく子どもにかける言葉は一つ一つがとても大きな意味を持ちます。
大抵のママは大きな声で叱ったり理不尽な理由で怒ってしまうのは、子どもに悪影響を与えてしまうかもしれないと気付き、すぐに反省して控えようと努力することができます。
しかし、実は普段何気なく子どもにかける言葉にも「子どもの心を縛る」可能性が潜んでいることをご存知ですか?
今回は、普段の生活でママがつい口走ってしまいそうなフレーズを中心に、気を付けたい言葉の数々を紹介します。
知らず知らずの内に何気ない一言で子どもの心を縛ってしまわないように、どんな言葉がどのような影響を及ぼす可能性があるのかをこの機会に知っておきましょう。
目次
ママの言うことを聞いていれば大丈夫
ママとして人の親になるまでの間、どんなに若いママであっても十数年以上の人生経験を経ています。
人生経験の中で「嫌な思い」や「挫折」があり、出来ることならば自分の子どもには同じ思いをしないで欲しい・・と願うのは親として当然の気持ちですよね。
そのため、自分の人生経験を元にした主観で「正しい選択」を選び歩ませようとして、つい「ママの言うことを聞いていれば大丈夫だから」と言ってしまってはいないでしょうか?
一見すると、失敗しない道を「子どものため」に勧める前向きな言葉に見えますが、実はこの言葉は子どもが成長してから悪影響を及ぼす可能性を含んでいます。
ママの言うことを聞けば大丈夫、という言葉を信じて成長した子どもは、【自分の意志で決定する力】が欠如しやすく、決断力が無い大人になってしまいかねません。
ママも小さい頃、親の言うことを聞かずに失敗した経験があるのではないでしょうか?
我が子に失敗させたくないという親心は理解できますが、失敗から学ぶことも成長過程では重要な要素です。
子どもから決断力を奪ってしまうことが無いように、ママの言うことを聞けば大丈夫と言い過ぎ無いように心がけてみましょう。
○○ちゃん(○○くん)のためなのよ
「あなたのためなのよ!」
子どもが言うことを聞かなかったり、悪いことをして叱った際にこのフレーズを使った経験はありませんか?
実は、この「あなたのため」というフレーズは子どもに大きなストレスを与える原因になりかねないNGワードです。
もし心当たりがあるなら、この機会に使わないように意識することをお勧めします。
子どもに対して「あなたのため」と思うこと自体は、親として当然ですし悪いことではありません。
しかし、この言葉には【理不尽な主観の押し付け】という側面が潜んでいます。
例えば、外出先で騒いだ子どもに対して「静かにしなさい!」と叱ったあとに「あなたのために言っているのよ?」と続けたとして、子どもは納得するでしょうか。
お説教をした上で親の正当性を示すかのように「あなたのため」というフレーズを付けるママがいますが、子どもからすれば一方的に叱られた上に正当化されたと感じる恐れがある危険なフレーズです。
ママのこと嫌いにならないでね
子どもに対して、「嫌いにならないでね」と言い過ぎるのも悪影響を及ぼします。
例えば、子どもに対して何か罪悪感を持った親が「嫌いにならないでね」と言った場合、それは【脅迫】になってしまったり【間違った倫理観】を子供に植えつけてしまうかも。
子どもにとって両親の存在はとても大きなもので、乳児期~未就学児の子どもなら両親は「世界そのもの」と言っても過言ではありません。
浮気など何かしらのトラブルで、ママ自身が悪いことをしてしまったとき、子どもに対して「嫌いにならないで」と言えばそれは脅迫に近い意味となりますし、それを許した子どもがママの行いを「許される行為」と認識してしまう可能性があります。
もし自分が間違った行動や言動をしたのであれば、「ごめんね」と子どもに対して誠実に謝罪をする姿を見せ、子どもに判る範囲で説明をすべきです。
親である立場を盾に「嫌いにならないで」と安易に口走らないように注意しましょう。
お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから
二人目や三人目の子どもを出産すると、手が掛からなくなってきた上の子に対して「お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから!」と言ってしまいがちです。
何気なく言った言葉の裏には、成長した上の子ならわかってくれるはずという期待があるのは理解できますが、言われた方は理不尽を感じるものです。
子ども心に、「好きでお姉(兄)ちゃんになった訳では無い」という気持ちが芽生え、その怒りが下の子に向いてしまったり、赤ちゃん返りをして親の気を惹こうという行動に繋がってしまいます。
手がかかる乳児を抱えた状況で、ついつい言いたくなってしまうフレーズですが、平等に愛しているという気持ちを常に伝える意識を持って上の子とも接することが大切です。
お金がないから・・・
育児はお金がかかるもの。
経済的に厳しい中で「〇〇買って」「〇〇が欲しい!」と無邪気に言ってくる子どもに、ついついお金が無いと伝えてしまいがちですが、これも度を超えると悪影響を及ぼします。
人生においてお金は大切なものですから、正しい金銭感覚やお金の大切さを子どもに伝えることは大事です。
しかし、ことあるごとに「お金がないから」と伝えすぎてしまうと、自分の望みが適わないのはお金のせい、と感じてしまい大人になってから悪影響が出てしまうことがあります。
異常なほどお金に執着したり逆に散財する人などは、こうした幼少期を経験しているケースが多いため、必要以上にお金が無いと子どもに伝えるのは控えた方がよいでしょう。
言葉を変えると子どもはポジティブに受け取る
「あなたのためを思って言っているの!」をはじめとした、様々なフレーズを紹介してきましたが、その言葉が出てしまう根底には「子どもが可愛いから」という親心があります。
しかし、どんなに子どもを愛していても「言葉のチョイス」を間違えてしまうと、ママの思いが正しく子どもに伝わらない可能性があるものです。
子どもにかける言葉を選ぶときは「子どもは人格を持ったひとりの人間」という、当たり前のことを改めて意識することが大切。
例えば、何か悪い事をして叱ったあとに「あなたのため」の一言で済ますのではなく
- なぜその行動が悪いのか
- その行動がどのような結果をもたらすのか
- 逆にどのような行動が良いのか
などを、ちゃんと説明して子どもの納得を得た上で「ね?〇〇した方があなたのためになるでしょ?」と伝えれば、子どもはポジティブにママの言葉を受け止めることができます。
子どもに説明しても理解できない!と親が勝手に判断するのではなく、子どもの意志や考え方を尊重しながら正しい方向へ「導いてあげる」ことが何よりも大切ですよ。
以下の音声でも声の掛け方についてお伝えしていますので参考にしてください。
まとめ
子育てをしていると、つい言ってしまいがちなフレーズを紹介しましたが、ドキッとする言葉はありましたか?
ママの何気ない一言が、子どもにとって「幼少期の家庭内トラウマ」となることがあるので子どもにかける言葉選びは慎重にしたいものです。
どの言葉も我が子を大切に想うからこそ出てしまう言葉であることは判りますが、ママの些細なひと言がインナーチャイルドを形成する原因になるかもしれません。
思い当たるかも・・というママはこれを機に少しだけ考え方を変えたり、子どもにかける言葉を選んでみてはいかがでしょうか。